パートⅠ ユニゾン
【セミナー所要時間】約5時間
【必要な設備】調律可能なグランドピアノ
【参加者の持物】チューニングハンマー
・音とはなにか?
本編に入る前にまず根本的な問いに立ち返ってみます。普段、私たち調律師はうなりやノイズやらを追い続けて何とかピアノを良い状態にしようと四苦八苦していますが、そもそも音とは何なのでしょうか?いくつかの実験を通して改めて考えてみます。そして機械はどのように音をとらえているのでしょうか?。
・理想のユニゾンとはどういう音でしょう?
メインテーマは、調律を学び始めた者がまず最初に習う技術でありながら経験を積んだ調律師にとってもなお課題となり続けるユニゾンについてです。ユニゾンを言葉の意味通りに捉えるなら、3本の弦のピッチが全く同じである状態が理想と言えそうです。しかし僅かにピッチのずれたユニゾンが織りなす様々な音色も魅力的に聴こえます。意見の別れるところかと思いますがあなたにとって理想のユニゾンとはどういう音でしょう?
・より長くピッチを維持するには?
せっかく合せた理想のユニゾンでも、一度の打弦で狂ってしまうようでは実用的とは言えません。私達ができることはハンマー操作と打鍵であり、変えられるのはチューニングピンの状態と弦の張力です。ピアニストの強靭なタッチに耐え、少しでも長くピッチを保つためにはどうしたらよいでしょう?
【レポート】https://www.jpta.org/hp/shikoku/201910/
パートⅡ 調律
【セミナー所要時間】約5時間
【必要な設備】調律可能なグランドピアノ
【参加者の持物】チューニングハンマー
・インハーモニシティとはなにか?
高音域を調律するにあたり必須の知識、インハーモニシティについて学びます。インハーモニシティはピアノの音に特有の性質であり、他の楽器の音から際立たせている要因の一つです。またそれぞれピアノが持つインハーモニシティの違いは調律の仕方にも大きな影響を及ぼします。特に高音域を調律する際にどう影響しているのかを学びます。中音域のインハーモニシティを配慮すると高音域はどのように調律するべきでしょうか?
・ミッシングファンダメンタルとはなにか?
なぜ低音域は複数の唸りが起こるのか?あるいはなぜ聞き取りにくいのか?「基音がない」とはどういうことなのか?巻線と響鳴板の音響特性を考慮しながら検証します。低音域の特性を踏まえてより調和のとれた調律をするにはどうしたらよいでしょうか?
パートⅢ 整音
【セミナー所要時間】約5時間
【必要な設備】整音可能なグランドピアノ
【参加者の持物】ピッカー他、整音道具
・なぜ、ファイリングをすると音色がはっきりするのでしょう?
・なぜ、肩口に針を刺すと音が伸びるのでしょう?
・なぜ、打弦点に針を刺すと音色がソフトに、あるいは過剰に刺すとこもってしまうのでしょう?
私たちが学習と経験から自明と思っている技術ですが、それがなぜなのかを音響解析ソフトとハイスピードカメラを使って解き明かします。
他のセミナーと同様に実験と実習を交えながら楽しいセミナーにできればと思っています。代表の方は*ピッカーをご持参ください。
*整音可能なハンマーを実際のピアノに取り付け、代表の10名の方に1音ずつ整音していただき、ビフォア・アフターを音響解析ソフトで比較します。代表者の方は必要と思われる工具をご持参ください。
【レポート】https://www.facebook.com/JPTA.kantou/posts/1062123200607429/